ネットバンクの海外送金サービスを利用して、フィリピンへお金を送金する場合の手数料と、各銀行のメリットを比較しました。
すべて、個人が利用できる海外送金サービスです。
結論から先に言うと、3万円以下の送金ならPayPay銀行、それ以上でしたら楽天銀行の送金手数料が安いです。
目次
比較したネットバンク
セブン銀行 (旧アイワイバンク)
フィリピン送金サービス (Mobile Remit sa Pinas)
セブンイレブンでおなじみのセブンアンドアイホールディングスのグループ会社。
フィリピンにおけるセブンイレブンの店舗数は2,960店舗(2020年9月現在)
セブン銀行は、フィリピンへの送金サービスの拡張に力を入れています。
楽天銀行 (旧イーバンク)
楽天市場を運営している楽天グループの金融部門。
2001年(平成13年)に、国内で二番目のネット銀行として誕生しました。
2020年(令和2年)現在、900万口座を越える口座が開設されている、日本最大級のインターネット銀行です。
ソニー銀行
2001年にソニーと三井住友銀行の出資によって設立されたネット専門の銀行。
ソニーバンクとも呼ばれています。
オリコン顧客満足度では、2019年、2020年に顧客満足度第1位を獲得。
1人当たりの預金残高は、ネットバンクの中でトップクラスです。
PayPay銀行 (旧ジャパンネット銀行)
Zホールディングスと三井住友銀行のグループ会社で、YahooオークションやYahooショッピングなど、個人への決済サービスに力を入れています。
2020年(令和2年)に、ジャパンネット銀行からPayPay銀行に称号が変更されました。
海外送金サービスの名称はPayForexです。
10万円をフィリピンへ送金する場合の手数料
さっそくですが、単純にフィリピンへ10万円を送金する場合の、各銀行の手数料の比較です。
セブン銀行 | 楽天銀行 | ソニー銀行 | PayPay銀行 | |
海外送金手数料 | 1,500円 | 750円 | 3,000円 | 1,450円 |
為替手数料 | 独自レート | 3,000円 | 独自レート | 独自レート |
中継銀行手数料 | 状況による | 1,000円 | 状況による | 状況による |
受取手数料 | 無料 | 無料 | 3,000円 | 不明 |
ネットバンクの海外送金手数料を比較
海外送金手数料とは、ネットバンクが行う送金業務に対して発生する手数料です。
セブン銀行の海外送金手数料
送金額 | 送金手数料 |
1円~10,000円 | 950円 |
10,001円~50,000円 | 1,200円 |
50,001円~100,000円 | 1,500円 |
100,001円~500,000円 | 2,000円 |
楽天銀行の海外送金手数料
送金額にかかわらず一律750円
ソニー銀行の海外送金手数料
送金額にかかわらず一律3.000円
PayPay銀行の海外送金手数料
送金額 | 送金手数料 |
1円~10,000円 | 450円 |
10,001円~30,000円 | 700円 |
30,001円~50,000円 | 900円 |
50,001円~300,000円 | 1,000円 |
300,001円~699,999円 | 1,450円 |
700,000円~1,000,000円 | 無料 |
ネットバンクの為替手数料を比較
リフティングチャージとも言われる為替手数料は、日本円をフィリピンペソなどの外国通貨に交換する際に発生する手数料です。
送金時の実際の為替に、何パーセントかを上乗せする銀行が多く、事前にはわからないため、為替手数料は隠れコストとも呼ばれています。
セブン銀行、ソニー銀行、PayPay銀行は、独自のレートを採用しているため、為替手数料はわかりません。
唯一、楽天銀行の為替手数料は3,000円と明確です。
中継銀行手数料を比較
日本の銀行から海外の銀行に送金する場合、途中に複数の銀行が存在し、振替が行われます。
中継銀行手数料とは、ネットバンクと着金先の海外の銀行との間に入っている銀行に支払う手数料のことです。
セブン銀行、ソニー銀行、PayPay銀行は、中継銀行の手数料を記載していません。
楽天銀行は1,000円です。
受取手数料を比較
受取手数料とは、フィリピンで受け取る銀行に支払う手数料のことです。
セブン銀行、楽天銀行は受取手数料が無料です。
ソニー銀行は3,000円。
PayPay銀行は「発生することがある」とだけ書かれていて、具体的な金額は公表していません。
ネットバンクのメリット
海外送金サービスを行っているネットバンクには、独自の特徴やメリットがあります。
セブン銀行のメリット
送金が完了すると、ショートメッセージでフィリピンに住んでいる相手にお知らせが届きます。
楽天銀行のメリット
一回100万円、一年間で500万円まで送金できます。
ソニー銀行のメリット
月末の残高や取り引き状況に応じて付与される優遇プログラム「Club S」のステージに応じて、仕向け送金手数料が月3回まで無料になります。
PayPay銀行のメリット
送金額が3万円以下でしたら、今回比較したネットバンクの中で、送金手数料が最安値です。
まとめ (為替コストに注意しよう)
ネットバンクの収入は、送金手数料と為替手数料です。
たとえば、市場の為替が1円=0.5ペソだとしましょう。
これを1円=0.4ペソで計算して送金すると、銀行は1円当たり0.1ペソ儲かることになります。
このように、市場の為替とは別に、銀行が独自で決める為替のことを独自レートといいます。
為替手数料は、楽天銀行以外、独自レートとしているため、送金するときにならないと分からないのですが、ネットバンクの場合、おおよそ送金額の0.5%~1%です。
隠れコストとも呼ばれている為替手数料は、目に見えて分かりずらいのですが、海外送金のコストを計算するときには、この為替手数料のことも考慮してください。