フィリピン人の平均寿命が短い理由は、日頃の生活習慣が原因です。
この記事では、フィリピン人がかかりやすい病気とその原因。
そして、偏った食生活など、フィリピン人の健康問題について説明します。
フィリピン人の平均寿命
フィリピン人の平均寿命は、2019年時点で男性が67.26歳、女性が75.51歳です。
出典:世界銀行 世界開発指数
(平均寿命とは、出生時の期待寿命です)
男性 | 女性 | |
フィリピン | 67.26歳 | 75.51歳 |
日本 | 81.41歳 | 87.45歳 |
世界の平均 | 70.58歳 | 75.05歳 |
フィリピン人の平均寿命は、日本人よりも、男性は14歳、女性は12歳短いです。
フィリピン人の死亡原因
病名 | 死者数 | 割合 |
廃血性心疾患 | 105,114人 | 17.1% |
がん | 66,179人 | 10.8% |
脳血管疾患 | 64,104人 | 10.5% |
糖尿病 | 39,723人 | 6.5% |
肺炎 | 34,251人 | 5.6% |
高血圧性疾患 | 31,610人 | 5.2% |
新型コロナウイルス感染症 | 20,840人 | 3.4% |
その他の肺疾患 | 20,575人 | 3.4% |
慢性下気道感染症 | 20,553人 | 3.4% |
泌尿器系疾患 | 18,483人 | 3.0% |
フィリピン統計局(PSA)が発表した、2020年1月~12月の死因統計によると、フィリピン人の死亡原因でもっとも多いのが虚血性心疾患です。
虚血性心疾患による死者は、ここ5年間の平均よりも127%増え、2019年につづいて連続で最多を記録しました。
フィリピン人の死因は、心疾患、脳血管疾患、高血圧性疾患、糖尿病など、高血圧が原因による死因が5割を占めています。
生活習慣が招く高血圧のリスク
マカティメディカルセンターの成人心臓病学のコンサルタントであるホルヘシソン博士は、フィリピン心臓協会(PHA)が主催した記者会見で、フィリピン人の成人の37パーセントが高血圧であると述べました。
高血圧になる原因は、不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒など、フィリピン人の生活習慣に起因します。
高血圧になると、糖尿病・循環器疾患・呼吸器疾患など、NCD(Non-communicable diseases)のリスクが高くなります。
フィリピン人の食生活
世界銀行のレポート「フィリピンの栄養失調」によれば、フィリピン人の食費は、おとな1人1日あたり48ペソ(約105円)しか費やされていないことが分かりました。
世界銀行が提唱している健康的な食事の費用は、1日あたり68ペソですので、約3割、食事代が不足しています。
- 健康のために必要な栄養量に対するフィリピン人の摂取量
・炭水化物 159%
・肉と豆類 79%
・牛乳 33%
・野菜 22%
・果物 10%
食事はお腹を満たすことのできる米中心のため、フィリピン人は炭水化物の摂取量が多く、野菜と果物の摂取が少ないことが分かります。
これは隠れた飢餓ともいえるもので、ビタミンやミネラルの摂取が十分ではなく、栄養失調を引き起こす食生活になっています。
また、フィリピン人は、摂取しすぎると健康に害を与える、塩分と甘味、そしてコーラなどの炭酸飲料を好みます。
運動しないフィリピン人の生活習慣
フィリピン人はおおむね運動が嫌いです。
理由は暑いから。
たとえば100メートル先の目的地へ行くにも、徒歩ではなくバスやバイクを利用します。
バスケットボールやバレーボールなど、スポーツを楽しんでいる人もいますが、中高年になると昼間は家に閉じこもり切り。
若者はショッピングモールなど、エアコンの効いた場所で時間を過ごしています。
運動嫌いは大人だけではありません。
フィリピンの小学校では、体育の授業はほとんどありません。
また、運動会などのスポーツイベントも行われないため、子どもの時から運動をしない習慣が身についてしまっています。
まとめ
フィリピン人の寿命が短いのは、食生活や運動など、日頃の生活習慣が原因です。
また、病気になっても治療費や薬代が支払えないため、病院へ行かない貧困層が多いことも理由に挙げられます。
もし、知り合いに大切なフィリピン人がいたら、食生活の改善や運動をすすめてください。