フィリピンへの移住やロングスティを考えている40代以上の方へ、実際に、現地で暮らした場合、どのくらいの費用がかかるのかを、フィリピン移住歴10年の僕が説明します。
結論から言うと、毎月のコストは家賃を含めて12~15万円。
住まいのグレードや、外食の頻度によって費用に大きな開きが生じます。
目次
フィリピンの生活費は日本の52%
世界生活情報を調査している「NUMBEO」が公表した2020年のデータによると、フィリピンで一番物価が高いマニラでも、生活費は東京の52.2%でした。
内訳を見ると、家賃がいちばん安く、モノの物価や食料品の値段は東京と比較して約55%です。
- マニラの消費者物価は東京より52.13%安い(家賃なし)
- マニラの家賃は東京より37.89%安い
- マニラのレストランの価格は東京より54.46%安い
- マニラの食料品価格は東京より55.38%安い
例えば、家賃を除いた現在の生活費が一か月20万円の人がフィリピンに移住した場合、11~12万円ほどで暮らせるということになります。
家賃は同じフィリピン国内でも、移住する都市によって違いがあります。
平均していちばん高額な都市はマニラで、セブはマニラよりも30%~40%、ダバオなら50%~60%安いと言う結果が出ています。
生活にかかる費用の目安
費用はわかりやすいように、かなり決めつけで表示していますが、ランクや利用頻度によって幅があることをご了解ください。
また、実際の支払いはフィリピンの通貨であるペソですが、ここでは日本円に換算した概算の金額でご紹介します。
1ペソ=2.16円 (2020年12月現在)
居住費
住まいのタイプは主に、コンドミニアム、一軒家、アパートの三種類があり、また、ロケーションによっても家賃に差が出てきます。
都市部から車で数十分離れた郊外のコンドミニアム(ワンベットルーム)で38,000円~54,000円。
都市の中心部ですと65,000円以上。
一軒家(3ベッドルーム)ですと110,000円以上。
アパートがいちばん安く、11,000円ぐらいから物件があります。
賃貸ではなく物件を購入する場合、スタジオタイプのコンドミニアムで4,300,000円ぐらいからあります。
でも、日本人がフィリピンの不動産を購入するケースの多くは投資用で、自身が住む住居を購入する人は稀だと思います。
光熱費
電気、ガス、水道などの光熱費は、その使用量によって大きな幅があります。
光熱費の中では特に電気代が占める割合が大きく、例えば一人暮らしで、ほぼ一日中エアコンをつけていればおよそ11,000円。
世帯人数が増えれば、電気代も高額になります。
水道やガスは安価ですので、それほど気にはなりません。
食費(外食)
ローカルのフィリピン料理レストランで320円~。ショッピングモールに入ってるレストランですと640円~。
マニラやセブには、日本食レストランも多数存在していますので、ラーメンや居酒屋メニューも楽しめますが、日本食の値段は日本と同じか、むしろ高いぐらいで、1食860円~1,100円。
ちなみに、Grabやフードパンダなど、食事はデリバリーサービスを利用している日本人も多いです。
インターネット・携帯電話
データ容量無制限のWi-Fiを自宅で契約した場合、月額3,800円。
携帯電話の通話料は使い放題で月額3,800円です。
携帯電話は、いまお持ちの機種がSIMフリーでしたら、フィリピンでもSIMカードを差し替えるだけでそのまま利用できます。
フィリピンで購入する場合は、安い機種ですと1,000円。iphoneは日本よりも若干高いです。
尚、インターネットも携帯も、初期の設置料や契約料は発生しません。
アルコール・タバコ
350ccの缶ビールはフィリピンブランドの商品だと100円と格安です。アサヒスーパードライは160円。
ローカルブランドのウイスキーは700円ぐらいからあります。
日本食の食材店では、いいちこや角瓶など日本銘柄の酒類が販売されていますが、値段は日本の二倍します。
タバコはおよそ日本の半額以下と考えてください。
例えば、日本でも売られているMEVIUS(メビウス)は、フィリピンでは240円です。
メイド
例えば、週に3日、半日だけ来てもらい、掃除、洗濯、料理をお願いした場合の費用は、一か月約8,000円です。
メイドの種類やお給料についての詳細は、こちらのページをご覧ください。
交通費
タクシーの初乗りは86円。走行距離が1kmごとに30円と、日本のタクシーの2割ほどの料金です。
メトロマニラの電車(LRT、MRT、PNR)の運賃は32円~64円。フィリピン国内で電車が走行しているのはメトロマニラだけです。
ジプニーと呼ばれる路線バスもありますが、治安の面からあまりおすすめしません。
自家用車
フィリピンに移住している日本人は、自家用車を持っている方も多いです。
TOYOTAや日産、三菱など、日本車メーカーのディーラーもありますが、価格は日本より高いです。
日本で販売されている車種とまったく同じものはありませんので、一概には比較できませんが、僕の感覚では日本よりもフィリピンの方が2割は高いと思います。
ちなみに、フィリピンでは右ハンドルの車は走行禁止ですので、日本車をそのまま日本からもってくることはできません。
ガソリン代は110円/1Lです。
その他の費用
生活に必要な日用品や消耗品は、一概にいくらとは言えませんが、ザックリと日本の半額程度と考えてください。生活費の中で、意外と費用がかかるのが、レジャーや外での飲み代です。
一回当たりの単価は高くはありませんが、頻繁に飲みに出かけたり、アソビに行くと、バカにならないで気を付けてください。
移住のランニングコスト
フィリピンでどのような生活を送るかによって、毎月の生活費は大きな幅がありますが、ここでは、以下のモデルケースを例にとり、月々のコストを紹介します。
・一人暮らし
・住居はマニラ郊外の賃貸コンドミニアム(ワンルーム)
・食事はすベて外食か、デリバリーを利用
・毎日ビール4本、タバコは吸わない
・外出は週に2~3回、タクシーで近くのショッピングモールへ
家賃 54,000円
食費 52,000円
光熱費 8,600円
通信費 7,600円
酒代 13,000円
交通費 4,300円
その他 11,000円
合計 150,500円
生活費を大きく左右する項目
生活費を左右する項目は「家賃」「食費」そして「夜アソビ」です。
住まいにいくらかけるか
家賃が11,000円のアパートでも、日本人が暮らしていける程度の物件はありますし、プール付きの一軒家に住むのでしたら65,000円はします。
固定費を抑えたいのでしたら比較的安価なアパートを。お金に余裕のある方でしたら、日本よりも安価で、豪邸に住むことができます。
居住費は固定費となるので、自身の予算に合わせて慎重に検討してください。
どこで何を食べるか
僕の場合は、あまり食事を摂らないので、生活費の1割ほどで済んでいますが、毎日外食、しかも日本食レストランを利用する方でしたら生活費の3割以上を占めるかもしれません。
費用を抑えたい方は、自炊をするか、メイドを雇って毎食の料理を作ってもらうといいでしょう。
フィリピン人のメイドがつくる料理はフィリピン料理ですが、マズマズおいしいです。僕も、メイドを雇っている期間は、毎食、フィリピン料理を食べていました。
夜アソビは大きな出費
パブやバーで飲酒をすると、意外と費用がかかります。
例えば、フィリピーナのいるカラオケバー(KTV)ですと、客が飲むビールは220円、ホステスのビールは440円。
単価はそれほど高額ではありませんが、何人ものホステスが入れ替われ立ち代わりやってきて、ビールをせがまれると、すぐに1万円を超えてしまいます。
フィリピンに観光旅行で来て遊ぶのでしたら一時的な費用なので気にはなりませんが、移住して、頻繁にバーや日本食レストランで飲酒をしていると、思わぬ出費につながります。
移住にかかる初期費用
どのようなビザを取得して移住するかによって初期費用は異なってきますが、ここではリアイアメントビザを前提に、必要な費用の項目をお伝えします。
- リタイアメントビザ(クラシック)
手数料1,400ドル 預入金 35~49歳 50,000ドル 50歳以上 20,000ドル
- ビザ取得サポート
エージェントに依頼した場合 65,000円
- ツーリストビザ更新費
リタイアメントビザの申請中に滞在しているためのビザ更新費用 9,000円
- 家賃と保証金
初月は1か月分の家賃に加えて2か月分の保証金が必要です。
- 家電・家具
テレビ、エアコン、冷蔵庫など。(最初から備え付けられている物件もあります)
- 引っ越し費用
日本から荷物を送る、または配送業者に依頼する場合
- 航空券代
フィリピン入国時は、往復、または第三国へ出国するチケットが必要です。5~8万円。
まとめ
- フィリピンの物価は日本の約半分
- 一か月の生活費は一人暮らしの場合12~15万円
- 住まいのグレードと外食の頻度によって差が出る
- バーやパブに通い詰めるとすぐにお金が無くなる