新生銀行が2019年10月より開始した海外送金サービス「Goレミット」
フィリピンに在住している僕は、現在、日本の銀行からフィリピンの自分の銀行口座への送金をベースに、PayPal(ペイパル)とWise(ワイズ)のふたつの海外送金サービスを利用しているのですが、新たな送金手段として、Goレミットの送金手数料を調べてみました。
結論から先に言うと、新生銀行のGoレミットは、可もなく不可もない、よくある海外送金サービスだということが分かりました。
この記事は、フィリピンへお金を送金する手段を考えたいる方のために、Goレミットの特徴と送金手数料について解説します。
目次
新生銀行 Goレミット海外送金サービスの特徴
新生銀行のGoレミットは、留学やお仕事で海外に長期間滞在している人に向けた送金サービスです。
Goレミットは、フィリピンをはじめ世界の170か国へ、12の通貨で送金することができます。
Goレミットを利用して海外送金をするには、新生銀行の総合口座からの引き落とし、または、新生銀行が指定する振り込み専用口座へお金を振り込むことで可能となります。
但し、Goレミットで送金されたお金は、現地の銀行口座へ振り込まれますので、現地の銀行に口座を持っていない人への送金はできません。
海外送金にかかる手数料の種類
新生銀行のGoレミットの送金手数料を説明する前に、海外送金にかかる手数料の種類について解説しておきます。
海外に送金する際にかかる手数料は、おもに4種類です。
- 送金手数料
送金を依頼する日本の銀行に支払う手数料です。
- 為替手数料
円通貨を円のままで送金する際に発生する送金手数料です。
リフティングチャージともいいます。
- 受取手数料
受取銀行に支払う手数料です。
- 中継銀行手数料
日本の銀行から、送金先の現地の銀行との間には、中継銀行が存在しています。
その中継銀行(コルレス銀行)が徴収する手数料が中継銀行手数料で、コルレス手数料と呼ばれています。
新生銀行 Goレミットの送金手数料
- 送金手数料
2,000円
(外貨預金口座からの場合は4,000円)
- 為替手数料
新生銀行が定める為替レートには、すでに為替手数料が含まれていますので、隠れコストとも言われています。
為替手数料は、実際の為替レートと、新生銀行が定める為替の差額を検証することでわかります。
2021年9月17日現在の、為替を比較してみましょう。
市場の為替 : 1ドル=109.77円
Goレミットの為替 : 1ドル=110.83円
例えば1万円を米ドルで送金する場合
市場の為替だと91.1ドル
Goレミットだと90.2ドル
1万円に対して、新生銀行のGoレミットは、約1ドル(約110円)の為替手数料が掛かっていることが分かります。
- リフティングチャージ料
送金額の0.1%、または1,500円。
どちらか高い方が採用されます。
手数料は受取額から差し引かれます。
海外送金サービスの手数料比較
新生銀行のGoレミットが、他の海外送金サービスと比較して高額なのか安価なのかを、仮に10万円を送金するとして比較してみます。
送金サービス | 送金手数料 | 為替手数料 |
PayPal | 499円 | 送金額の4.1%+40円 |
Wise | 758円 | なし (実際の為替レート) |
楽天銀行 | 1,750円 | 独自レート |
セブン銀行 | 2,000円 | 独自レート |
みずほ銀行 | 2,500円 | 送金額の5% (最低2,500円) |
三菱UFJ銀行 | 3,000円 | 独自レート |
三井住友銀行 | 3,500円 | 独自レート |
Goレミット | 2,000円 | 独自レート |
Goレミットの送金手数料は、メガバンクよりは安価ですが、PayPalやWiseなどと比較すると高額であることが分かりました。
Goレミットの申し込み方法
Goレミットへの申し込みは、スマートフォンのアプリを利用するか、または新生銀行へ必要書類を郵送で送るふたつの方法があります。
スマホ、郵送での申込も共通で、申込時には下記の書類が必要となります。
- マイナンバーカード
- 運転免許証
- 顔写真
免許証がない人は、郵送で住民票、印鑑証明、保険証を送付します。
登録が完了してから オンラインでの申し込みの場合は5~7日後 郵送なら7~10日後に、新生銀行から申し込み完了の連絡があります。
新生銀行海外送金アプリは、App StoreまたはGoogle playからダウンロードできます。
新生銀行で海外送金をするメリット
送金手数料がとくに安くない新生銀行ですが、唯一、他の銀行にはないサービスがあります。
それは、プリペイドカード GAICAです。
平成21年(2009年)ごろまでは、各銀行ではインターナショナルキャッシュカードを発行していました。
インターナショナルキャッシュカードとは、海外のATMでお金が引き出せるカードのことです。
現在は各行ともインターナショナルキャッシュカードは発行していませんが、新生銀行では、このカードに代わるプリペイドカード GAICAを発行しています。
プリペイドカード GAICAは、カードにチャージした分のお金を、現地で引き出したり、お買い物に利用できます。
たとえば、フィリピンにいる家族や、フィリピン人の彼女に、このプリペイドカードを渡しておくことで、相手は必要に応じてATMで現金を引き出すことができます。
あなたが入金した金額しか引き出せませんので、むやみにお金をつかわれてしまうこともありません。
結論
新生銀行に、すでに口座をお持ちの方でしたら、Goレミットを利用するメリットはありますが、これから海外送金サービスに申し込む方は、海外送金専用のサービスを利用した方が、送金手数料はお得です。
また、Goレミットの送金先は、現地の銀行口座のみとなりますので、銀行口座をもっていないフィリピン人には、送金することができないことを頭に入れておいてください。