フィリピンには、お金が無くなり経済的に困窮している日本人がたくさんいます。
その多くは、フィリピンパブの女を追いかけてフィリピンにやってきた人たちです。
この記事では、フィリピンに在住して10年以上経つ僕が、フィリピンで破産する日本人の特徴と、困窮邦人にならないための方法について解説します。
目次
フィリピンの困窮邦人
海外で経済的に困窮状態に陥っている日本人のことを困窮邦人と呼びます。
外務省領事局 海外邦人安全課の海外邦人援護統計によると、2019年に在外の日本大使館や領事館に、困窮が原因で援護を求めて来た人は377人。
その7割はアジアで、特にタイとフィリピンに集中しています。
そして、その大多数が60歳以上の男性です。
海外で所持金がなくなれば、生活が困窮するほか、帰国することすらできなくなってしまいます。
困窮邦人の多くは、ノービザで入国し、観光ビザを毎月延長しながら現地に滞在していますが、ビザの更新をしていなければ、不法滞在として処罰されるか、処罰までは行かなくても、出国の際にビザの更新費用と併せてオーバーステイ罰金を支払う必要があります。
併せて、日本への片道航空券はLCCでも3万円はします。
生活するお金も、帰国するお金もなくなった場合、思いつくのは日本大使館か、現地の同胞に助けを求めることですが、日本大使館に駆け込んでも、お金は貸してはくれません。
日本にいる親兄弟や親せきに電話をして、お金を送金してくれるよう言ってくれるだけ。
しかし、困窮邦人はなんらかの傷を持ってフィリピンにやってきている人が多いため、ほとんどの場合、断られます。
現地に住んでいる日本人も、お金をせびられることがわかっているから相手にしません。
どこにも頼る宛がなくなり、フィリピン人の仕事を手伝って食事を分け与えてもらったり、教会や路上で寝ている邦人もいます。
こうなってしまうと、日本に帰国することはほぼ不可能。
大病にかかっても病院には行けず、最後は誰にも看取られることなく孤独死。
海外でお金が無くなると、こんな悲惨な事態に陥ることもあります。
困窮邦人への道はフィリピンパブから
困窮邦人になってしまう理由は、事件や事故に巻き込まれたり、ビジネスでの失敗だったりといくつかあります。
その中で最も多いのが、日本のフィリピンパブで知り合ったフィリピン人女性を追いかけて渡比してしまうケースです。
フィリピンの女は小柄でかわいくて人見知りをしません。
気遣いやスキンシップもあるので、キャバクラのホステスとは大違い。
日本で誰にも相手にされなくなり燻っていた自分の前に、若いフィリピーナが笑顔で寄ってきて相手をしてくれる。
アソビ慣れていない中高年男性は、すぐにハマってしまいます。
フィリピンパブのホステスは、ブローカーとの契約や就労ビザの関係で、短期間でフィリピンへ帰ってしまう子が多いのですが、客だった日本人は、自分のことを相手にしてくれたフィリピーナが忘れられず、彼女が帰国してからも、国際電話やメールでやり取りをつづけます。
そのうち彼女から、「会いたい」「助けて」などと言われ、我慢できず夢を求めて有り金を持ってフィリピンへ。
これが、困窮邦人への道の入口です。
女を信じたら破産の道をまっしぐら
貧困のフィリピーナたちは、日本人と聞いただけで、男のルックスなどは無視してお金のためにすり寄って来ます。
「家族が病気になったからお金貸して。かならず返すから」
これが、いちばん多いお金のねだり方。
日本人も最初は、戻ってこないお金と腹をくくり、彼女へお金を渡しますが、味をしめたフィリピーナは、そのあとも理由を変えて何度もお金を要求してきます。
中高年の日本人男性はATMなのです。
お金をケチればそこが縁の切れ目。
いままで散々お金を渡したのに、そんなことはどこ吹く風で、女はサッサとあなたの前から消えてしまうでしょう。
50才以上の日本人を本気で愛してくれる若いフィリピーナなんていません。
夢を求めてフィリピンに来たあなたは、財産も女も失い、路頭に迷うことになります。
そこで、考えを改めてすぐ日本へ帰国すれば、まだ浅い傷で済むのですが、困窮邦人と呼ばれる人たちは、日本に戻る場所がない、また、現実に戻りたくないと考えている人が多いので、帰国することもできず、そのままダラダラとフィリピンに滞在し、いずれ完全に破産していきます。
女あそびが目的なら貯金は500万円以上
お金がなくなったら日本に帰れば良いと言う安直な気持ちで、数十万円ほどの所持金でフィリピンにやってくる人が多いのですが、それでは一か月も持ちません。
もちろん、節約した生活を送れば、フィリピンなら月15万円ほどで生活することは可能です。
でも、毎晩のようにフィリピンパブ(KTV)へ飲みに行ったり、女とデートしていれば、自分の生活費以上のお金がかかります。
2~3百万のお金でも、1年で溶かしてしまうことでしょう。
自分は浪費はしないと決めてフィリピンに来た人も、時間を持て余して無駄な外食や買い物をしてしまったり、色々な誘惑に負けて思わぬ浪費を重ねてしまうこともあります。
一度、お金を使いだすと、もう止まりません。
困窮邦人になりたくなければ、500万円/1年×滞在年数の預金は欲しいところです。
これは、女を追いかけてフィリピンに来た人、または、フィリピンで女あそびがしたい人のコストで、女とは無縁の生活を送るのであれば、これほどの費用はかかりません。
しかし、いずれにしても年金だけをアテにフィリピンにやってくるのは無謀です。
フィリピンでお金は稼げない
お金が無くなったらバイトでもなんでもして稼げば良いと考える人もいると思いますが、中高年の外国人男性に仕事はありません。
ホテルやレジャー施設などの観光業、またコールセンターなどでは日本人向けの求人がありますが、そのほとんどは20代か30代まで。
現地語はおろか、英語も満足にしゃべれない中高年は、飲食店など現地のフィリピン人を相手にした職業にも就くことができません。
稼ぐ方法はただひとつ、自分で商売を起こすことです。
居酒屋やラーメン屋、語学学校、マッサージ店など、日本人が経営しているお店もたくさんあります。
でも、成功する人はよほどの努力家か、その道の経験があるような一握りの人に限られます。
また、商売をはじめるとなれば、数百万単位の初期費用も必要。
失敗すれば負債だけが残り、余計に困窮生活を強いられることになります。
もしもあなたが、現地の貧困層の人たちがやっている肉体労働もいとわなければ、月に5千円程度は稼げるかもしれませんが、ハードワークで環境も劣悪ですので、まず長続きはしないでしょう。
中高年は、フィリピンでお金を稼ぐといった考えは、捨ててください。
重要なのは、いくら貯金があるかです。
困窮邦人にならないための心構え
僕のこれまでの経験上、フィリピンに来て破産しないために、心構えとして持っておくべきことを4つ、ご紹介します。
支出計画をたてる
日本よりも物価が安いからなんとかなる、といった安直な考えでフィリピンに来たら、まず失敗します。
たしかに物価は安いのですが、光熱費など日本よりも高額なものもあります。
また、住まいや食事に日本と同じようなレベルを求めれば、日本にいたときよりも高くつきます。
これらは、現地に来てみないとわからないことですので、日本で机上の計算をしても無意味。
フィリピンに来てから家計簿など付け、支出と自分の持っているお金とを照らし合わせ、どの程度の支出まで許容できるかを計算してください。
そして、ヤバイと思ったら、支出を減らすか、すぐに日本へ帰国することをオススメします。
外食は控える
外食にかかる費用は、ローカルレストランで約300円、日本食レストランですと800円~1,000円。
ビールは小瓶1本約200円。
たいした金額ではないと思うかもしれませんが、これが毎日になると、相当な出費となります。
外食は出来る限り減らし、惣菜をテイクアウトしたり自炊して、家で食事をすれば安上がりです。
瓶ビールもスーパーで買えば1本70円ぐらいです。
女にのめり込まない
追いかけてきた女が、あなたにお金ばかり要求してきたら、サッサと縁を切ってください。
付き合いを続ければ、あなたは泥沼にはまるでしょう。
また、楽しかった日本のフィリピンパブを思い出し、夜な夜な現地のKTV通いをしたら、破産までの道はもっと近くなるかもしれません。
一般的なKTVの料金は、ビール200円、女の子の飲み物は400円~。
頼みもしないのに4~5人の女の子があなたのテーブルにやってきて、「私もビール飲みたい!」と言ってきます。
もし、ひとりが3本飲んだら、女の子の飲み物代だけで6,000円。
文句を言っても、そこは日本ではないので、従うしかありません。
気に入った子と店外デートをするなら1万円。
それだけでなく、その子へは同額のチップを払い、かつ、スマホが欲しいなどと言ったおねだりがはじまります。
月に一二度、KTVへ飲みに行くだけでしたら、大きな出費にはなりませんが、くれぐれも、ホステスにはのめり込まないよう注意してください。
日本人との付き合いを控える
外務省の調査によれば、2018年現在、フィリピンには約18,000人の在留日本人が暮らしています。
海外に来て、なにかと不安もある日本人は、現地に在住している日本人が集まる飲食店や飲み屋に行き、同胞との交流を望みます。
しかし、現地在住の日本人と付き合いだすと、酒席やゴルフ、なんだかよくわからないようなイベントなど、さまざまな行事に誘われ、間違えなく出費が増えます。
そればかりか、同胞を騙して金儲けをしようとする日本人もいます。
お金をムダに使いたくなければ、日本人とのお付き合いはほどほどにして、かつ、本当に信用できる人に限ってください。
まとめ (すべては自己責任)
「フィリピンなら身構えなくても簡単に行けそう」
「近いから、なにかあったら帰っくれば良い」と、無計画で来てしまう日本人は後を絶ちません。
フィリピン人は表面的にはやさしいですが、本当に困ったときは助けてくれません。
海外で生活が困窮し、帰国を希望する邦人に対して、日本政府がお金を貸しつける国援法というのがあります。
申請が認められれば、航空券代や宿泊費など、帰国に掛かる費用を国から借りることができますが、そのお金は税金から拠出されているので審査は厳しく、平成18年は25件。
フィリピン居住者の場合は数件でした。
女を追いかけてフィリピンに行き、帰国するお金が無くなったので貸してほしい、という理由では、まず認められません。
フィリピンに来たら、困窮するのも破産するのもすべては自己責任。
誰も助けてはくれないと言うことを肝に銘じておいてください。