フィリピン国内で就労しているフィリピン人の、職業別の収入を公的なデータに基づいて発表します。
2019年のフィリピン人の平均月収は14,692ペソ(約3万2千円)でした。
元データはフィリピンの通貨であるペソで公表されていますが、この記事では、わかりやすいようにペソを日本円に換算した金額で表示します。
また、細かな数字は四捨五入しています。
(2020年12月現在 1ペソ=2.17円)
フィリピン人の平均収入
2020年4月におけるフィリピン労働力調査では、企業や事務所、店舗で働いている、いわゆる勤め人は、全就労者人口の63.2%。
自営業や家族経営で収入を得ている人は28.7%でした。
男女別平均月収
企業で就労している従業員の平均収入は32,000円。男性よりも女性の方が高い収入を得ています。
- 男性 31,130円
- 女性 32,950円
2019年 業種別平均月収
給料が高い上位10業種の男女別賃金
| 業種 | 平均 | 男性 | 女性 |
| 科学技術 | 56,000円 | 58,530円 | 53,810円 |
| 教育 | 55,690円 | 53,520円 | 56,480円 |
| 情報・通信 | 51,820円 | 53,260円 | 49,100円 |
| 電気・ガス事業 | 48,620円 | 46,520円 | 62,000円 |
| 行政機関 | 48,390円 | 49,320円 | 47,320円 |
| 不動産 | 47,630円 | 44,550円 | 50,710円 |
| 金融・保険 | 47,000円 | 46,210円 | 47,630円 |
| 医療機関 | 46,780円 | 48,220円 | 46,030円 |
| 介護など支援サービス | 42,100円 | 39,130円 | 47,050円 |
| 下水道・廃棄物処理 | 35,470円 | 32,580円 | 51,400円 |
主な職業の年収
ボーナスなどを含めた平均年収。
会計・ファイナンス
| 銀行員(支店長クラス) | 1,284,400円 |
| 税理士 | 831,600円 |
| 会計士 | 651,100円 |
管理・事務
| 販売管理 | 453,600円 |
| 一般事務 | 309,000円 |
| カスタマーサービス | 195,100円 |
教育
| 保育士 | 556,300円 |
| 小学校教師 | 519,500円 |
| 語学学校教師 | 245,600円 |
医療
| 医師 | 665,000円 |
| 栄養士 | 591,200円 |
| 薬剤師 | 459,800円 |
| 看護師 | 381,900円 |
ホテル・レストラン
| ホテルのシェフ | 649,300円 |
| ホテルのルームサービス | 346,300円 |
| レストランの配膳係 | 216,400円 |
| ホテルの室内清掃員 | 144,700円 |
小売店
| 店長 | 416,500円 |
| 店員・レジ係 | 311,700円 |
情報技術
| ソウトウエアエンジニア | 973,200円 |
| 情報技術者 | 575,000円 |
| コンピュータープログラマー | 437,400円 |
法律
| 弁護士 | 1,611,700円 |
| パラリーガル | 606,000円 |
パーソナルケア
| フィットネストレーナー | 649,300円 |
| ヘアスタイリスト | 194,800円 |
| ハウスメイド | 106,000円 |
交通
| パイロット | 5,120,000円 |
| 客室乗務員 | 460,700円 |
| タクシー運転手 | 294,800円 |
| 営業車の運転手 | 214,000円 |
2020年はコロナ禍で収入が激減
今回公表された数字は、コロナ禍前の収入です。
しかし、コロナの影響により、2020年のILOの速報では、男性がマイナス5.4%、女性は8.1%も昨対で収入を減らしています。
特に、誰もができるような、スキルの低い自営の仕事をしていた女性は大幅な減収。
また、無届けの商売や、外国人観光客を相手にしていたホステスなど、公的な調査には載っていない職業の収入を合わせると、そのダメージは計り知れません。
例えば、KTV(カラオケ)で働いていた女性の中には、一晩で6,000ペソ(約1万3千円)を稼ぐ子も珍しくありませんでしたが、コロナ禍でお店は閉店。
2020年の収入はゼロです。
フィリピンでは、公的な機関が発表する数字と、実際の社会経済とに剥離があることも、認識しておいてください。