フィリピンへの移住や、単身でロングスティを考えている方へ、メイドの探し方や給料、そしてどんなタイプのメイドが単身男性に合っているかを解説します。
僕はフィリピンに10年滞在して、3人のメイドを雇った経験があります。
フィリピンのちょっと裕福な家庭では、住み込みや通いのメイドを雇うのは一般的です。
家事や雑用をこなしてくれたり、子どもがいる家庭なら子守をしたり。
ヴェレッジと呼ばれる高級住宅街では、何人ものメイドを雇っている家も珍しくありません。
もちろん、日本人もメイドを雇うことができます。
目次
メイドの勤務形態
メイドの勤務形態は、その家に住み込んで仕事をしてくれる形態と、家から通ってきてくれる形態があります。
住み込みは、まさしくあなたの家の同居人として、終日、家事などの仕事をしてくれますので、家が大きい、子供がいる、また、忙しくて家のことに手が回らない人に適しています。
一つ屋根の下で暮らす住み込みのメイドは、家族の一員とは言わないまでも、それに近い状態になります。
一方の通いのメイドは、プライベートの時間を大切にしたい人や、外出が多い方におすすめ。
単身でフィリピンに暮らしている男性は、通いのメイドを雇っています。
通いのメイドの勤務時間には、午前中だけとか、午後だけに限定するパートタイムと、朝から夕方までのフルタイムがあります。
メイドのタイプ
メイドをしている女性は、大きくふたつのタイプに分かれます。
ひとつは、大学の授業料を稼ぐために働いている学生、または、将来海外で働きたいと思っている独身女性です。
彼女たちはメイドの経験は浅いですが、頭が良くて、英語も堪能です。
但し、若いため出産などで突然やめてしまうケースも少なくありません。
もうひとつは貧困家庭の母親。
賃金が安く、一生懸命に働いてくれますが、幅広い知識を持っていないため、自分のやり方でしか仕事ができません。
また、込み入った会話を英語ですることは難しいです。
メイドの仕事と種類
メイドは、料理、洗濯、買い物、掃除、子守など、なんでもしてくれる人と、子守や料理など専門の分野で仕事をする人がいます。
専門職のメイドの呼び方
- Nanny(子守をする人)
- House helper(掃除や買い物をする人)
- Laundry person(洗濯をする人)
- Cook(料理をする人)
実は、フィリピンでは、メイドと言う言葉はなく、これらの専門職の人をそれぞれ分けて呼んでいます。
また、すべての仕事をしてくれる人のことはヘルパー(Helper)と呼びます。
掃除や洗濯、料理などをお願いする場合は、メイドではなくヘルパーと言ってください。
メイドの給料相場
住み込みと通い、また、都市と地方では、メイドの給料は異なります。
一般的に、住み込みの方が安いです。
その理由は、食事と寝室を提供する必要があるためです。
住み込みのメイドの月給
- マニラやセブなどの都市部 8,000php~12,000php(約17,000円~26,000円)
- 地方 5,000php~8,000php(約11,000円~17,000円)
その他、住み込みの場合は、福利厚生費(社会保険、健康保険、ボーナス)の支給が必要となります。
通いの場合の日給
- 半日 約300php(約650円)
- 一日 約500php(約1,100円)
別途、交通費を支給。
メイドの探し方
メイドを探す場合は、フィリピンの知り合いに紹介してもらう方法と、エージェントに依頼する方法があります。
手軽で安上がりなのは、知り合いに声をかけて、メイド希望者を紹介してもらう方法です。
但し、やみくもに声をかけると、ただお金に困っているからと言う理由でいろんな人が集まってきてしまいますので注意が必要。
また、紹介のため断りづらくなるのも難点です。
もう一つの探し方は、メイドを仲介をしている会社に依頼する方法です。
こちらは、仲介料がかかるか、または月額の給料に仲介料が上乗せされるため、個人契約よりも高額になりますが、なにかメイドとのトラブルが起きた際は相談できるメリットがあります。
- フィリピン在住の日本人が利用しているメイド紹介サイト(英語)
メイドを雇う際の注意点
ルールを決めて書面に残す
口約束でメイドを雇うと、あとで痛い目に遭います。
フィリピンは契約社会ですので、しっかりとルールを決め、メイドとの主従関係をはっきりとさせておくことが大切です。
給料や勤務時間はもちろん、清掃の範囲や料理の内容、休んだ場合のペナルティなど、事細かくメイドに伝え、それを書面に残してください。
横柄な態度を取らない
メイドにももちろん人権があります。
横柄な態度を取ったり、罵声を浴びせることは絶対してはいけません。
些細なことには目をつむり、相手のしてくれたことには感謝の気持ちを伝えてください。
メイドは恋人ではない
献身的に仕事をしてくれる若いメイドには、いつしか恋愛感情が生まれることがあるかもしれません。
でも、相手は収入を得るために仕事をしているのであって、あなたが好きだからではありません。
もしもあなたがメイドに手を出せば、訴えられて刑務所行きです。
甘やかさない
一度甘やかすと、ルールがグタグタになり、メイドは怠けます。
相手の立場を尊重しながらも、雇い主と雇用者の関係はハッキリとさせてください。
前金は慎重に
よくあるケースとして、メイドが前金を求めてきます。
前金とはアドバンスと言い、今月、お金困っているから、来月分の給料を先払いして欲しいと。
心情的には、払ってもいいかなと思いますが、前金を渡した翌日から、来なくなってしまうメイドも少なくありません。
前金を要求され、それを渡す場合は、そのお金を上げる覚悟が必要です。
メイド雇用の失敗例
僕はフィリピンで3人のメイドを雇用したことがありますが、すべて長続きはしませんでした。
その失敗例を紹介します。
前金を渡したら来なくなった学生
授業料を稼ぐためにメイドをしていた大学生です。
彼女は、しっかりとした人からの紹介でした。
学校の授業料が払えないので、来月分の給料を前借したいとも申し出があり、約1万円を先払いしたのですが、それ以降、来なくなりました。
前金を断ったら来なくなった母親
生活費が足りなくて食糧が買えない、と、僕に懇願してきた40代の貧困の母親。
来月は無休で働くからと、10分ほど粘られたのですが、僕は前例があったために断りました。
その母親は二度と僕の家には来なくなりましたが、半年後、たまたま街で会ったら、平然としていました。
旦那の妨害
結婚している若い女性は、旦那が嫉妬して仕事を妨害する場合があります。
30代で3人の子ども持つ母親にメイドを依頼していたのですが、旦那が僕に対して懐疑的で、妻に仕事をさせないようにしました。
理由を付けては、妻が外出することを足止めし、たまに僕の家までついてくることも。
彼女は優秀なメイドでしたが、トラブルになるリスクを避け、依頼することを止めました。
おすすめはシングルマザー
単身男性に適したメイドは、20~30代のシングルマザーです。
家事に慣れている
独身の女性の場合、実際自分の家で家事や炊事をしていないケースが多いです。
家事は親がしていたり、食事は外食やテイクアウトに頼り、家で行う炊事といえばごはんを炊くぐらい。
面接では、炊事も洗濯もできます、と言いはしますが、経験が少ないのでレベルが低い。
その点、結婚歴のある女性は、自分の家で実際に炊事や洗濯を行っているので、手際と要領がいいです。
また、家事だけではなく、買い物や公共料金の支払いなど、生活全般のことを知っているのもメリットのひとつです。
働き者
メイドを希望する女性の目的はお金を稼ぐことです。
親を養うためとか、学費を稼ぐためとか、また、将来、海外で働くための資金稼ぎなど、目的は人それぞれですが、中でも、子どもの養育費を稼ぐために働くシングルマザーは、特にひっ迫した状況なので、すぐに辞めたり、クビになるような態度は取らず、お金のために一生懸命働いてくれます。
単にお金を稼ぐ目的で働いているメイドとは、やる気と根気が違います。
若いから体力がある
メイドの仕事には、モノや荷物を運んだり、家具を移動したりと、体力を使う作業もあります。
フィリピンの女性は、男性が行うような肉体労働も、意外と平気でやってくれるのですが、さすがにメイドが40代50代でしたら、肉体労働をお願いするわけにはいきません。
その点、20代30代の女性なら体力がありますので、力仕事も大丈夫。
多少重い荷物でも、平気で運んでくれます。
夫から邪魔されない
フィリピンの男性は嫉妬深いです。
結婚している女性の場合、メイド本人は働く気でも、夫がなんだかんだと難癖をつけて仕事の妨害をすることがあります。
特に、雇用主が日本人男性の場合は、こちらに非がなくても、勝手にやきもちを焼かれることが多い。
僕の場合は、勤務日の朝になると、旦那がメイドの奥さんに用事をいいつけたり、自ら仮病を使って、奥さんを行かせないように妨害していました。
旦那のいないシングルマザーでしたら、そのような問題は起きません。
まとめ
- メイドの雇用形態は住み込みと通いの二種類がある
- 掃除、炊事、洗濯などオールマイティーにこなしてくれる人をヘルパーと呼ぶ
- 給料は住み込みで約8,000~12,000php/月、通いは約500php/日
- メイドを探す場合は、知り合いに頼むか、仲介業者へ依頼
- 単身男性には20~30代のシングルマザーがおすすめ