フィリピンでつかえるクレジットカードの種類や、つかう際の注意点を、フィリピンで生活している僕の体験談を交えて解説します。
フィリピンはクレカの普及率は低いですが、日本人が利用するようなホテルやレストランでは問題なくつかえます。
また、両替よりもクレカでのキャッシングの方がお得な理由も、手数料を比較しながら具体的に説明します。
目次
フィリピンでクレジットカードがつかえる場所
フィリピンでは、クレジットカードが使える場所と使えない場所がはっきりしています。
端的に言うと、外国人が利用するような場所ではつかえ、主に現地の人が利用しているお店ではつかえません。
ホテルやレストランではつかえる
ホテルやレストラン、市中のショッピングモール、また空港内のショップなど、外国人観光客が利用するような場所でしたら、日本で発行されたクレジットカードがつかえます。
大きなホテルでは、デポジット(保証金)として、チェックイン時に、クレカの提示を求められることもあります。
フィリピンの病院でもカード払いができます。
海外保険に加入している方でも、一度、ご自身で立て替えて、あとから保険会社に請求するケースが多いと思います。
フィリピンの医療費は高額ですので、もしものときのために、クレジットカードを持っていると安心です。
カード払いができない場所
タクシーやジプニーなどの交通機関、フィリピン人が一般的に利用している街中の飲食店(カレンデリア)や小売店(サリサリ)、また、コンビニではクレジットカードを使うことができませんので、現金での支払いとなります。
スーパーマーケットでは、カード払いもできるのですが、基本的にフィリピンで発行されたクレジットカードでの支払いで、日本で発行されたクレカは、清算処理に時間がかかるか、または利用不可なので注意してください。
クレジットカードの種類
フィリピンで利用できるカードは、主にこの6種類です。
- VISA
- MasterCard
- JCB
- American Express
- 銀聯(Union Pay)
- Diners Club
この中で、ほぼすべてのカード取扱店で利用できるのはVISAとMasterCard。
次に扱い店が多いのはJCB。
American Express、銀聯、そしてDiners Clubは、取り扱っていないお店もありますので、カード払いをする方は、VISAかMasterCardのどちらかは必ず携帯してください
クレジットカードの利用にはIDが必要
クレジットカード利用時には、お店から身分証明書(本人確認証)の提示を求められます。
現地の人でしたら、IDカードや運転免許証で本人確認ができますが、観光や留学でフィリピンを訪れている外国人の本人確認証はパスポートです。
日本の免許証や保険証は、海外では無効ですので、買い物や食事でカードをつかう場合は、パスポートも携帯してください。
尚、パスポートのコピーでも認めてくれるお店もありますが、現物の提示が必要な場合もありますので、コピーではなく、パスポートの現物を携帯してください。
ATMでキャッシングする方法と注意点
現金がなくなったときは、カードをつかってATMでキャッシングができます。
フィリピンには街の至る場所にATMがあります。
注意しておきたいのは、ATMの引き出しは1万ペソ(約21,600円)まで。
そして、引き出しができるのは一日一回ですので、それ以上の現金をキャッシングする場合は、2種類のクレジットカードを利用してください。
カードの名義が同じでも、たとえばVISAとMasterCardなど、違う種類のカードでしたら、それぞれ1万ペソまで引き出すことができます。
ATMの操作
- カードをATMに挿入
- 言語を選択(タガログ語か英語)
- 暗証番号を入力(ENTER PIN)
- 取引の種類は「WITHDRAWAL(引き出し)」を選択
- 取引口座「CREDIT(クレジットカード)」を選択
- 引き出す金額を入力
- 現金、カード、そして明細書を受け取る
また、夜間の引き出しは十分に注意してください。
キャッシングと両替の手数料比較
ATMでの海外キャッシングと、両替所で日本円をペソに両替した場合の手数料を比較します。
海外キャッシングの手数料は2~3.6%
キャッシングをする際には、利息と手数料が発生します。
利息=キャッシングする金額×実質年率÷365日×ご利用日数
(実質年率は18%が多いです)
たとえば、ATMで3万円をキャッシングし、次回支払日に一括返済する場合の利息
・最短26日後に返済
30,000円×18%÷365×26日=約385円
・最長56日後に返済
30,000円×18%÷365×56日=約850円
プラスATM手数料 220円
手数料は2~3.6%です。
※キャッシングの額や為替相場によって、この限りではありません。
両替手数料は15%
日本円をフィリピンペソに両替する場合は、手数料と言う項目はなく、実質の為替レートに手数料が上乗せされた両替レートが提示されます。
例えば、「フィリピンペソ PHP 3.00」と書かれていたら、手数料を含めて1万円が3千ペソと言う意味です。
この金額は、為替の変動(円安や円高)によって変動があります。
2020年11月27日現在
・三菱UFJ銀行の両替レート
3.925ペソ (10,000円=3,952円 30,000円=11,857.7ペソ)
・実際の為替レート
4.6ペソ (10,000円=4,600円 30,000円=13,881.87ペソ)
よって、三菱UFJ銀行の両替手数料は14.7%です。
日本の空港や銀行で両替した場合の手数料はだいたい15%、フィリピンで両替する場合は3~5%が相場です。
つまり、日本で現金を両替するよりも、フィリピンのATMでクレジットカードをつかいキャッシングした方が断然お得。
但し、フィリピンに来たら、両替もキャッシングも、手数料に大きな違いはありません。
海外旅行傷害保険付帯のクレカのメリット
クレジットカードには、お買い物やキャッシング機能のほかに、海外旅行損害保険が付帯されています。
ケガや病気で医療機関を利用した際のキャッシュレス診断。
スマホや荷物などが盗難に遭ったり破損した場合の保障。
そして、緊急時の日本語サポートなど、いざという時に便利なサービスが受けられます。
担保項目 | 保険金額 |
傷害死亡・後遺障害 | 最高2,000万円 |
傷害治療費用(1事故の限度額) | 50万円 |
疾病治療費用(1疾病の限度額) | 50万円 |
賠償責任(1事故の限度額) | 2,000万円 |
携行品損害(自己負担:1事故3,000円) | 15万円 |
救援者費用(1年間の限度額) | 100万円 |
また盗難ではなくても置き忘れなどで紛失してしまう可能性もありますので、クレジットカードに付帯されている損害保険は本当に役立ちます。
クレカが紛失や盗難に遭った場合の対応
万が一、クレジットカードを紛失した場合は、慌てたりパニックにならず、速やかにカード発行会社のコールセンターに連絡し、クレジットカードの利用停止、および再発行の請求を行ってください。
コールセンターは、365日、24時間、つながります。
盗難の場合は、フィリピンの警察から発行される盗難の証明書が必要な場合もありますので、コールセンターに確認してください。
ほとんどのクレジットカードには会員保障制度が付帯されていて、もしも紛失後に第三者によってカードが不正利用された場合でも、損害額が保障されます。
いざという時のために、カード発行会社名、連絡先電話番号とメールアドレス、そしてカード番号を書き留め、カードとは別に保管しておいてください。
フィリピンのクレジットカードの普及率
フィリピンでは、クレジットカードの普及率が低く、世界銀行の調べでは、カードホルダーは国民の3%にすぎません。
その理由は、銀行口座を持っている国民が少ないため。
フィリピンにはクレジットを普及させるカード会社が存在していませんので、銀行口座を持っている人だけが、銀行からの薦めでカードをつくります。
レストランやモールで、クレカで支払いをしている人を、僕はほとんど見かけたことがありません。
スーパーマーケットでクレジットカード払いをしている人はいますが、そのほとんどは富裕層の家に雇われているお手伝いさんで、雇い主からカードを預かり、買い物をしています。
フィリピンではクレジットカードよりも、銀行口座が不要で、都度、現金をチャージしてつかえる、GCash、Paymaya、PayPalなどの電子マネーの方が普及しています。
まとめ
- 観光客が利用するホテルやレストランでは、クレジットカードがつかえる
- 一般庶民が利用している飲食店や小売店ではつかえない
- VISAとMasterCardの取扱店が多い。JCBは扱っていない店もある
- ATMでのキャッシングは1日1回で、引き出しの限度額は1万ペソ
- 日本で両替するより、フィリピンでキャッシングした方が手数料が安い