フィリピンの税金の種類まとめ。非居住者でも納税の義務あり!

渡航と移住

フィリピンへの移住や、フィリピンで仕事をして収入を得たいと考えている方に向けて、フィリピンの税金の種類を説明します。

年金以外に所得がある方は、フィリピンまたは日本の税務署へ所得税の納付義務が生じます。

税金の納付先は、住民票が日本にある方(居住者)と、住民票を抜いてフィリピンに来る非居住者、そしてフィリピンの滞在期間によって決まります。

非居住者と居住者

所得税をはじめ保険料や年金の支払いは、非居住者か居住者かで、納税先や義務が異なりますので、はじめに、非居住者と居住者の定義について説明します。

所得税法上の居住者とは、日本に住所があるか、または現在からさかのぼり1年以上、日本に住まいを有している人のことを指し、それ以外は非居住者となります。

住所とは、その人の生活の基盤がある場所と定義され、日本で生計を立てているか、仕事をしているかなどの客観的な事実で判断されますが、一般的に住民票が日本にある方は、たとえ、フィリピンと日本を行ったり来たりしている人でも居住者とみなされます。

しかし、日本の国内法では、居住者、非居住者の分類を住民票のあるなしや、海外での滞在日数では分類していないので、住民票を抜いてフィリピンで暮らしている方も、日本での滞在日数が長い場合は居住者と判断される場合もあります。


非居住者と居住者の区分は、各国との租税条約や日本の国内法がからみ、定義が複雑なのですが、税制上、非居住者と居住者では大きく異なりますので理解しておいてください。


参考:国税庁 居住者と非居住者の区分

フィリピンの税金の種類

フィリピンの税金の種類は、国税、地方税、市・自治区税に区分され、さらに直接税と間接税の2つに分かれています。

国税とは所得税や相続税、地方税は不動産税、そして自治区税は事業税と固定資産税ですが、一般の外国人も納めなければならない主な税金は、消費税、物品税、住民税、そして所得のある人は所得税です。


尚、社会保険については、フィリピンの会社に従事する60歳以下の方が対象になります。

所得税

フィリピン国内で源泉所得を得る場合は、所得税を納める義務があります。

  • フィリピンに居住、または180日以上滞在している非居住外国人の所得税は所得の20%~35%
  • 年間で25万ペソ以下の場合は無課税
  • フィリピン滞在が180日未満の場合は、日本の税務署へ納税
  • 180日~1年未満の人はフィリピンで納税し、帰国後に納税額の控除を受ける
  • フィリピン、日本の両国で居住者と認定された場合は、租税条約によってどちらか一方の国へ納税する
  • ネットビジネスで収入を得ていても、フィリピン滞在時に得た収入は納税の義務がある
  • 非居住者、居住者にかかわらず、不動産収入など日本における収入はフィリピンでは無課税


課税所得区分税額
25万ペソ以下無税
25~40万ペソ以下25万ペソを超える部分に対して20%
40~80万ペソ以下3万ペソ プラス40万ペソを越える部分に対して25%
80~200万ペソ以下13万ペソ プラス80万ペソを超える部分に対して30%
200~800万ペソ49万ペソ プラス200万ペソを超える部分に対して32%
800万ペソ以上241万ペソ プラス800万ペソを超える部分に対して35%
給与所得者の納税額


個人事業主の場合は、総所得から事業控除分を差し引くことができます。控除額は、総収入の40%、またはすべての事業経費のどちらかを選択できます。

参考:日本貿易振興機構(JETRO)

消費税

フィリピンでは消費税のことを付加価値税(VAT)と呼び、医療費や農産物、海産物など一部の商品やサービスを除き、12%が商品代に上乗せされます。

但し、内税のため日ごろの買い物や飲食代の支払いで、消費税を意識することはほとんどありません。

物品税

タバコやお酒などの嗜好品、また自動車や宝石などの高額商品には、付加価値税とは別に物品税が課せられます。いわゆる贅沢品税です。

例)

自動車(60万ペソ以上) : 4%~50%

ガソリン : 10ペソ/1L

タバコ : 37.5ペソ/1箱

住民税

居住地を管轄する市役所で、毎年2月末までに、Cedula(セドラ)と呼ばれるコミュニティ税を納めます。

セドラは日本でいえば住民税に相当する税金で、納付後に発行される証明書は身分証明書としても利用できます。

税額は、基本税が5ペソで、その他、前年の収入額1,000ペソに対して1ペソの割合で加算されます。

申告と納税手続き

フィリピンの企業や使用人と雇用契約を結び、フィリピン国内の一か所のみから収入を得る場合は、使用人が税務の手続きを行うので、納税手続きはそれほど気にすることはありません。

しかし、日系企業の駐在員や、自身で個人ビジネスを始める方は、月次の源泉徴収と年度末の確定申告が必要になります。

月次の源泉徴収は、前月の収入を基に源泉徴収額を計算し、フィリピンの税務署(BIR)へ申告および納税をします。

確定申告は、1月から12月の収入を基に申告書を作成し、翌年の4月15日までに税務署へ提出し、定められた税金を納めます。

また、個人事業主の場合は、四半期ごとに所得税申告書を提出し、見込み税額を納付する義務もあります。

尚、日本の会社から個人の銀行口座へ直接、給料が振り込まれる場合も、それがフィリピンでの労働に対するお金なら課税対象になります。


詳しくは、世界4大会計事務所のひとつであるKPMGの、フィリピンの税務実務 個人所得税の基礎と留意点をご覧ください。

尚、今回の情報は、フィリピンの税金の概略をまとめたもので、最新かつ専門性のあるものではありません。

フィリピンに移住する方や駐在委員として働く方、また、ビジネスを始める方は、必ず、税理士などの専門家に最新の情報を確認してください。

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MAMORU
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