海外移住をするなら、やっぱり英語が話せないと生活できない、と漠然と考えている中高年の方に向けて、海外生活で必要な英語のレベルと、カンタンにできる勉強法を、フィリピンで生活している僕が解説します。
結論から言うと、必要最低限の英語だけマスターしておけば、あとは移住後に身につくので、英語が話せない状態で移住しても、生活には支障ありません。
実際、英語がほとんど話せない状態で海外移住をした僕でも、10年以上、問題なくフィリピンで生活ができています。
目次
海外移住先で異なる英語レベル
海外移住をするなら、英語が話せないと生活できないと考える人は多いと思いますが、実は、英語を第一言語としている国は、アメリカ、イギリス、アイルランド、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、そして南アフリカ共和国の7ヵ国しかないんです。
それ以外に、英語を公用語としている国はありますが、公用語の国でも、日常の会話では現地語がつかわれています。
例えば、日本人の海外移住先として人気がある東南アジアで、英語が公用語になっている国はシンガポールとフィリピンのみで、タイやマレーシア、インドネシアなどでは、観光地を除き、英語を話しても通じない場合が多いです。
英語が話せない人でも、非英語圏の国でしたら日常生活にほとんど支障ありませんので、英語が話せないと海外移住ができないといった考えは捨ててください。
東南アジアをはじめとする非英語圏の国で暮らす場合は、英会話力よりも身振りや手ぶりも交えたコミュニケーション力の方が大切なんです。
英語がネイティブではない国では、国民はそんなに流ちょうな英語は話すことはできませんので、外国人と話す場合は、相手の表情や状況を考えて対応します。
極端な例ですが、東南アジアでは、「コレ」「はい」「いいえ」の3つの英語と、あとは身振りや表情だけでもコミュニケーションができます。
僕は毎日のようにフィリピンのスーパーマーケットで買い物をし、カフェやレストランで飲食をしていますが、ほとんど英語をつかう場面はありません。
但し、アメリカなど英語圏の国では、コミュニケーションはすべて英語ですので、まったく英語が話せないと生活するのは厳しいです。
実際、アメリカ、カナダ、オーストラリア、そしてイギリスの4か国では、海外移住に際して、英語力の証明が必要になります。
海外移住で英語が必要な場面
非英語圏の国では、ビザの取得に英語力は関係ありませんし、入国時のイミグレーションでも英語での会話は不要です。
でも、海外移住の場合は銀行や住居、インターネットなど、契約の場面では、英語が話せないと不安になるのも事実。
例えば、銀行口座を開設する際にはさまざまな条件があり、銀行員から英語で説明を受けます。コンドミニアムやインターネットの契約には、契約の期間や支払い規定があり、英語を読むことも話すこともできないと、後から後悔することもあります。
海外では契約がすべてですので、一度、契約をしてしまったら、後から異議を申し立てても通りません。
英語が苦手な方は、大事な契約の際には、遠慮なく現地で通訳を依頼してください。東南アジアの国でしたら、数千円で通訳を雇うことができます。
僕の場合は、リタイアメントビザの申請時と、銀行口座の開設時に通訳をお願いしました。
フィリピンでリタイアメンドビザを発給している退職庁や銀行では、相手が日本人の場合はやさしい英語で説明してくれますが、それでも英語が話せない人にとっては7割は理解不能。
海外移住でしっかりとした英語が必要になる場面は、なにかの契約をするときぐらいです。
海外生活で話す英語はカンタン
みなさんは、日常生活でどれぐらいの数の日本語をつかっているでしょうか。
仕事の場面をのぞけば、意外と少ないことに気づくハズです。
海外移住でもそれは同じで、実は毎日つかう英語のフレーズは限られるので、それだけ覚えてしまえば、暮らしていくうえでほとんど支障はありません。
- 挨拶と自己紹介
海外に移住すれば初対面の外国人と会話を交わす機会が増えてきます。
Good Morningなど、誰もが知っている単語でも、つかいなれていないと意外とすぐに口に出て来ないもの。
I’m Taro、 Nice to meet you.など、挨拶のフレーズをセットで覚えておくのが良いでしょう。
- 相槌
外国人は一方的に話す人が多いですので、日本人はほぼ聞き役になります。
はじめのうちは相手の話していることの半分も聞き取れないと思いますが、I see(なるほど)、Really?(本当ですか?)、I think so too.(私もそう思います)などの相槌だけ返せれば、相手のあなたに対する印象は良くなります。
- 質問
聞きたいことがあるのに、英語が話せなくて聞けないのはイライラします。また、そのとき確認しておかなかったばっかりに、後から後悔することもありますので、つかいそうな質問文も暗記しておきましょう。
質問には、名前や仕事など相手のことを尋ねるフレーズと、自分が知りたいこと、確認しておきたいことを相手に尋ねるフレーズがあります。
- 買い物で使う英語
これいくらですか?、〇〇はありますか?、など、スーパーでのお買い物やレストランでつかうフレーズも限られますので覚えておくと良いでしょう。
ポイントは文法通りに正しく覚えて話そうとしないこと。
日本人は頭で文法を考え正しく話そうとするから、口から言葉が出て来ないんです。
How much?やCan I have ○○?など、短くてカンタンなフレーズだけで相手に十分に伝わりますし、笑顔で話すことで失礼にもなりません。
覚えなければならない英語がたくさんあるように感じるかもしれませんが、海外移住をはじめて数か月もたてば、自然と身につきますので心配しないでください。
海外移住のための英語の勉強法
これから海外移住を考えている方に向けて、英語が超初心者だった僕が勉強した方法を4つ紹介します。
オンラインスクール
まず、渡航前に英語脳を鍛えようと思い、オンラインスクールで週三回、それぞれ2時間の授業を三か月ほど受講しました。合計すると72時間です。
オンラインスクールの先生の大半はフィリピン人の女性ですので、生徒の英語レベルに合わせてやさしく教えてくれます。もしもネイティブの国の先生なら、早口でついていけなかったでしょう。
オンラインスクールでは、学校の授業のように単語や文法をマスターするのではなく、実践的なフレーズや言い方を覚えられるので、海外で生活する上でとても勉強になりました。
オンライン英会話スクールのメリットは安価で、かつ自分の好きな時間に受講できる点です。
授業料は1コマ(25分)200円以下で、月額でも6,000円ほどですので、気軽にレッスンが受けられます。
また、朝6時から深夜1時まで開校しているので、スキマ時間にレッスンが受けられます。
英単語を覚える
日本人は中学高校で3,000の英単語を習っています。しかし、日本にいる限り英語をつかう機会はほとんどないので、その大半は忘れてしまっているでしょう。
でも、問題ありません。
海外で日常的に話す英単語は決まっているので、その単語だけ復習をしておけば、いざという時、単語を言うだけで相手に用件を伝えることができます。
何語の英単語を覚えておけばよいかは一概には言えませんが、僕の場合は海外生活をシミレーションしてみて、使いそうな単語を中心に暗記しました。
いまは英単語を覚えるスマホ用のアプリもたくさんあるので、いつでも勉強できますね。
ラジオ英会話
NHKのラジオ英会話は無料でつかえるレッスン教材です。基礎英語からビジネス英語まで、自分のレベルに合った番組を選び、毎日15分、英会話のレッスンが受けられます。
ラジオで放送された番組は、翌週にはインターネットで視聴できますので、放送時間に合わせる必要はありません。
僕は「英会話タイムトライアル」と言う番組を視聴していました。
この番組は、日常使う英語の短いフレーズを覚えていくカリキュラムになっていて、海外生活でとても役立ちました。
語学学校
移住先に語学学校があれば、移住してから通ってみるのも選択肢の一つになります。
語学学校の生徒は、基本的に海外からの留学生なのですが、学校によってはウォークインと言う、現地在住の日本人が、毎日通学で受講できるプログラムが用意されています。
ウォークインは宿泊や食事がつかないので、一般的な留学費の1割から2割程度の格安料金で授業が受けられ、かつ、学校によっては午前中だけとか午後の2時間だけとか、好きな時間帯を選ぶことも可能。
フィリピンには語学学校がたくさんありましたので、僕は2つの学校で、それぞれ3か月間ほど通いで授業を受けました。
語学学校では、英語の勉強だけではなく、先生との雑談を通してその国の文化や風習なども学ぶことができ、生活する上での参考になりました。
まとめ 英語は移住してから身につく
英語初心者だった僕ですが、海外移住を決める際に英語ができないことはほとんど気にしませんでした。それよりも、早く海外での生活がしたかったので、英語は何とかなるだろうと言った楽観的な気持ちを持っていました。
とはいえ、渡航前には多少、英語の勉強はしましたが、実際にフィリピンで10年間暮らしたいま、振り返ってみると、毎日つかっている英語のフレーズの多くは、移住してから身につけたものでした。
僕のように、英語が話せなくても海外移住はできます!
- 英語が話せない人の海外移住は非英語圏の東南アジアがおすすめ
- 良くつかう英語のフレーズだけ覚えてしまえば生活に支障なし
- 移住の前にラジオ英会話やオンライン英会話レッスンで英語に慣れておこう