フィリピンでは、休日やイベントのときにはビールが良く飲まれています。
その理由は、値段の安さと気温の高さ。
フィリピンはビールの値段がミネラルウォーターとほぼ同じぐらい安いんです。
また、夜になっても気温は20度以上あるので、冷えたビールがとてもおいしく感じる。
この記事では、フィリピンに在住し、自宅で毎月5ケースのフィリピンビールを消費している僕が、フィリピンで人気のあるビールの銘柄の特徴と、フィリピンならではの飲み方について解説します。
フィリピンのビールメーカー
フィリピンのビールは、一社が市場を独占している状況です。
San Miguel Brewery Inc. (サンミゲル)
サンミゲルビールは、市場の9割のシェアを持つフィリピン最大のビールメーカーで、10種類の銘柄のビールを製造しています。
また、食品から包装、電力、石油などのインフラなども手掛ける、フィリピンを代表する複合企業でもあります。
2009年に日本のキリンホールディングスがサンミゲルビールの株式を49%取得しました。
Asia Brewery (アジア醸造所)
Asia Breweryは、フィリピンの財閥、ルシオ・タングループ傘下の、国内二位のシェアをもつビール会社。
アサヒグループホールディングスと提携し、フィリピン国内でスーパードライを販売しています。
その他、コカ・コーラやハイネケンなど、国際的なブランドとライセンス契約を締結し、フィリピンで醸造や販売を行っていますが、自社ブランドのビールは、ほとんどありません。
フィリピンのビール銘柄
定番のブランドからレアなビールまで、フィリピンで販売されている9銘柄を紹介します。
定番のBIG3
San Miguel Pale Pilsen
ピルセンの名前で親しまれている、サンミゲル社の主力ブランドで、サンミゲルビールと言っても良いほどです。
スッキリした味わいのピルスナービールは、飲食店で銘柄を指定せずにビールを注文すれば、このピルセンが出てくるほどメジャーです。
アルコール度数 5%
カロリー 135cal/330ml
San Mig Light
サンミグライトと呼ばれている、カロリー控えめのライトビール。
なめらかなのど越しとサラッとした味わいが人気の秘密です。
アルコール度数 5%
カロリー 100cal/330ml
Red horse
レッドホースは、アルコール度が高めでキレのある味が魅力のストロングビール。
若者を中心に人気があり、飲食店やスーパーでも取り扱われています。
アルコール度数 6.9%
カロリー 143cal/330ml
人気急上昇中の銘柄
San Miguel Fruit flavor
サンミゲルのピルセンをベースに、レモン、リンゴ、ライチなど果物のフレーバーを足したフルーツ系ビール。
ジュースのように飲みやすくアルコール度も低めのため、日本人女性にも人気。
スーパーには置かれていますが、飲食店での取り扱いはほとんどありませんので、家飲み専用の銘柄です。
アルコール度数 3%
カロリー 133cal/330ml
San Mig Super Dry
フィリピンで唯一の、コクとキレのあるサンミゲル社のドライビール。
アサヒのスーパードライと同じようなポジョンです。
アルコール度数 5%
カロリー 135cal/330ml
San Miguel Premium all Malt
モンドセレクションを6回受賞した味わい深いモルトビール。
サントリーのプレミアムモルツと同じようなポジションです。
アルコール度数 5%
カロリー 120cal/330ml
めったに見れないレアな銘柄
San Mig Zero
カロリーと炭水化物を抑えた健康志向のビール。
飲食店やスーパーでこのビールを扱っているところは稀です。
アルコール度数 3%
カロリー 60cal/330ml
GOLD EAGLE
低価格でアルコール度も控えめのサンミゲル社の廉価銘柄。
マニラやセブの都市部では見ることのないビールです。
アルコール度数 4.5%
カロリー 96cal/330ml
Beer na Beer Pale Pilsen
ビア・ナ・ビアフィリピンは、アジア醸造所(Asia Brewery)が製造するペールビール。
価格は安いですが、街で見かけることはほとんどありません。
アルコール度数 5%
カロリー 150cal/355ml
フィリピンで飲める日本のビール
フィリピンで販売されている日本のビールは、日本人におなじみの2銘柄です。
アサヒスーパードライ
アジア醸造所がアサヒとライセンス契約をして販売しているブランド。
スーパーマーケットや飲食店で、幅広く扱われています。値段は160円前後。
アルコール度数 5%
カロリー 147cal/350ml
キリン一番搾り
サンミゲル社がライセンスを保有し、販売しています。
アサヒスーパードライに比べると、スーパーや飲食店での取り扱いは限定的です。
アルコール度数 5%
カロリー 143cal/330ml
ビールの値段
2021年現在、標準的なサンミゲル社のピルセンをスーパーマーケットで購入すると、330mlの缶ビールは約110円。瓶は約70円。
インフレ傾向にあるフィリピンでは、ビールの価格も年々と上がっていますが、それでも100円ほどと激安です。
瓶の方が缶よりも安い理由は、リサイクルにかかるコストなどの違いで、瓶を返却すると約5円のキャッシュバックもあります。
飲食店で提供されるビールは瓶ビールで、価格はお店によって異なりますが、だいたい1本 140円から、KTV(カラオケバー)で240円。
それでも、日本の飲食店で注文するよりはかなり安いです。
ドイツ銀行が2018年に世界の主要都市の居酒屋で、ビールのグラス一杯の値段を調査したところ、フィリピンは世界最安値でした。
香港 915円
シンガポール 853円
ニューヨーク 790円
東京 510円
マニラ 155円
出典: https://www.businessinsider.com/price-of-beer-around-the-world-2018-5
フィリピンならではの飲み方の習慣
ビールを飲む際のフィリピンのローカルルールを3つ紹介しますので、フィリピンに来た時や、日本のフィリピンパブで飲むときの参考にしてください。
氷を入れる
飲食店でビールを注文すると「アイス?」と聞かれることがあります。
冷蔵庫がないお店や、あったとしてもビールが冷えていない場合はビールは常温。そんな時は氷を入れて飲みます。
ビールに氷を入れるのはフィリピンの習慣になってしまっているので、冷えていたとしても氷を入れて飲んでいるフィリピン人は少なくありません。
日本のフィリピンパブで、ホステスの女の子が氷を入れたビールを飲んでいる光景を目にした人もいると思いますが、アルコールも希釈されるので、長時間働くホステスは、よく氷を入れています。
同じグラスで回し飲み
フィリピン人は、仲間同士や親しい人とビールを飲むとき、ひとつのグラスを回し飲みで使用します。
自分が飲み終わったグラスを隣の人に渡し、ビールを注ぐ。注がれた人は、ほぼ一気飲みで飲み干し、空いたグラスをまた隣へ回す。
この習慣はタガイ(Tagay)と言って、フィリピノ語で「乾杯」と言う意味。
もしもあなたがタガイに誘われたら、それは「俺たちは仲間だぜ」とフィリピン人から認められたことになりますが、自分のペースに関係なく飲まなければならなくなるので、お酒に弱い方や、翌朝、仕事を控えている方は丁重にお断りしてください。
飲み口をティッシュで拭く
飲食店でビールを飲むときは、瓶ビールのラッパ飲みが基本です。
頼めば小さいコップは出てきますが、日本のようなジョッキに入って出てくることはありません。
そして、出てきた瓶ビールはすでに栓が抜かれているので、ちょっと不衛生。
瓶に口を付ける前に、必ず飲み口をティッシュで拭いてください。ティッシュが、すでに飲み口に巻きつけられて出て来るお店もあります。
フィリピンのビールを日本で買う方法
サンミゲル社のビールでしたら、アマゾン、楽天、そしてヤフーショッピングで購入できます。
但し、値段は現地の販売価格の5倍します。
- サンミゲルピルセン 330ml缶 24本 約7,000円
- サンミグライト 約6,300円
- レッドホース 約7,200円
2021年1月現在、フィリピンの食品や食材を専門に扱っている、「フィリピンフーズ」というショッピングサイトが最安値でした。
尚、フィリピンで人気の、サンミゲル フルーツフレーバーは、日本のショッピングサイトでは、まだ取り扱いがないようですので、「飲んでみたい!」と言う方は、コロナによるロックダウンが明けたら、フィリピンに来て味わってみてください。