フィリピン統計局(PSA)の調査発表によると、フィリピン人女性の名前でいちばん多いのがエンジェル、そして男性はナタニエルでした。
この記事では、フィリピン人に多い名前とその由来、そして名前を呼ぶときのルールについて解説します。
男女別 フィリピン人の名前 上位10
2015年に出生した赤ちゃんの名前で、男女別の上位は以下の通りです。
・女の子の名前
順位 | 名前 | 読み |
1 | ANGE | エンジェル |
2 | ALTHEA | アルテア |
3 | PRINCESS | プリンセス |
4 | ASHLEY | アシュレー |
5 | SAMANTHA | サマンサ |
6 | SOPHIA | ソフィア |
7 | ANDREA | アンドレア |
8 | ANGELA | アンジェラ |
9 | JANINE | ジャニー |
10 | SOFIA | ソフィア |
・男の子の名前
順位 | 名前 | 読み |
1 | NATHANIEL | ナタニエル |
2 | GABRIEL | ガブリエル |
3 | JAMES | ジェームス |
4 | FRANCIS | フランシス |
5 | JOSHUA | ジョシュア |
6 | JACOB | ジャコボ |
7 | ANGELO | アンジェロ |
8 | DANNIEL | ダニエル |
9 | ALEXANDER | アレクサンダー |
10 | JOHN MARK | ジョン マーク |
出典:フィリピン統計局 Top Ten Most Common Names in the Philippines 2015
フィリピン人の名前の由来
フィリピンはスペインに統治されていた時代が長く、また、国民の9割がキリスト教の信者であることから、以前は、スペイン語が語源となっている名前や、聖書に関係ある単語が名前につかわれることが多かったです。
例えば、女の子でいちばん多いエンジェルは、「神の使者として行動する神聖な天使」を意味する名前で、アンジェリカやアンジェリンも、天使が語源となっています。
しかし、西暦2001年以降は、時代や宗教に関係なく、アメリカナイズされた名前や、母親と父親の名前を混合した名前を子どもにつける親も増えています。
ミドルネームの意味
フィリピン人の中には、ミドルネームを持っている人も多く、その場合、名前と苗字の間にミドルネームが入ります。
名前(ファーストネーム)+ミドルネーム+苗字(ラストネーム)
フィリピン人のミドルネームは、キリスト教の洗礼名(クリスチャンネーム)や、母方や自分の旧姓などが用いられていて、出生時に親が付けたり、結婚を機に自分でつける場合もあります。
また、ミドルイニシャルと言って、ミドルネームが長い場合は、頭文字の一文字だけを表記します。
例) White→「W」
普段はニックネームをつかっている
フィリピン人は、日常生活では本名ではなくニックネームで呼び合っています。
エンジェルなどの簡単な名前でしたらそのままですが、ダブルワードや長い名前の子は、本名とは別に、呼びやすいニックネームをつかいます。
ニックネームは、子どもが10才前後になったときに、親がつける場合が多いです。
ダブルワードの名前 TOP10 (女性)
Mary Joy |
Mary Grace |
Jessa Mae |
Mary Rose |
Angel Mae |
Christine Joy |
Mary Jane |
Trisha Mae |
Rose Ann |
Mary Ann |
敬称の使い方
敬称とは、名前に添えて敬意を表すことばで、日本人なら「〇〇さん」や「〇〇様」が敬称にあたります。
日本は男性も女性も同じですが、フィリピンの敬称は、女性と男性で異なります。
・Ma’an(マーム)
婦人や目上の女性に対する敬称です。
本人と話しているときや、声をかける場合は相手のことをMa’amと呼びます。
第三者の女性を差す場合は、Ma’am〇〇と、名前の前にMa’amを付けて呼びます。
また、「Yes Ma’am」など、女性に対する返事の後につけることもあります。
・Ms(ミス)
既婚未婚を問わず、20~30代の女性に対する敬称です。
例えば、お店で店員やウエイトレスに声をかける場合はMsだけで大丈夫です。
Msは、正式には苗字やフルネームの前につける敬称ですが、日常会話で、Msを付けて相手を呼ぶことはほとんどありません。
・Ate(アテ)
タガログ語のAteは、自分のお姉さんや、少し年上の若い女性に対する敬称です。
子どもが、年上の女性につかう場合が多いです。
本人に対してはAte、第三者のお姉さんを差す場合はAte〇〇と、名前の前につけます。
・Sir(サー)
目上の男性や上司、お客さんに対して使う敬称です。
相手にSirと言って呼びかけます。
また、「Yes Sir」など、返答する言葉の最後につけることもあります。
・Mr(ミスター)
目上の男性に対して、かしこまった話をする場合は、相手の苗字の前にMrをつけて呼ぶことがあります。
しかし、フィリピンでは、日常会話でほとんど使われません。
・Don(ドン)
子ども~20代前半ぐらいまでの若い男性に対する敬称です。
男の子や、お店で働いている若い男性従業員を呼ぶときは、Donだけで大丈夫です。
尚、友達同士や、気さくな場でしたら、年齢や性別に関係なく、敬称はつかわずにファーストネームだけでかまいません。